岐阜県中小企業同友会・合同入社式での記念講演をご依頼
いただき、嬉しくお引き受けしました。講演タイトルは、
『言葉のチカラ』です(^^)
毎日の朗読活動で、言葉のチカラを身に沁みて感じます。
朗読するとは、文学作品の中に文字となって存在している
言葉にふさわしい音を与えること。読書行為に朗読を介在
させることによって、黙読を超える豊かな文学受容が可能
になります。文学作品の言葉のチカラをヒシヒシと感じ、
味わうことができるのですね。
文豪と呼ばれる優れた文学者の一人、谷崎潤一郎の作品に
『刺青』というデビュー作があります。この小説の内容を
新聞記事にするなら、「若い刺青師の清吉という男が16
〜17歳の若い美しい娘を監禁の上、麻酔薬で眠らせて、
眠っている間に背中に女郎蜘蛛の刺青をした」となるので
しょうが、文庫本で10ページ程の作品となった『刺青』
を読み味わうと、加害者と被害者の境目が曖昧に緩んで、
価値観には揺らぎが生じてきます。谷崎は言葉という手段
だけで、清吉の有罪判決を覆すかのようです。自分自身の
変態性(⁉︎)も正当化してしまうかのような谷崎の言葉の
チカラは本当にスゴイと思いました、何しろこの作品は、
この内容で名作として読み継がれているのです。事実では
なく真実を書くのが小説だという言葉も思い出されます。
さて今回の記念講演は、新入社員の皆さまに向けたお祝い
です。言葉のチカラを共有できる、なにか…心暖まる作品
をご紹介できたら☆と思っているところです(^^)
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