私たちは小説や物語を読むとき、 “想像して考える” “考えて想像する” を繰り返しています。
〈語り手〉はいったいどのような景色(作品世界)を読者に体験させたいと思って語ってくれているのだろう…?
9月27日(火)の午後、豊田で宮沢賢治の『いちょうの実』を読みます。以下に冒頭の部分を書き写しますね。
「そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼きをかけた鋼です。
そして星がいっぱいです。けれども東の空はもう優しい桔梗の花びらのようにあやしい底光りをはじめました。
その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風に流されてサラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。
実にその微かな音が丘の上の一本いちょうの木に聞こえるくらい澄み切った明け方です。」
〈語り手〉が、読者の脳内に創り上げようとする明け方は、なんて壮大な、そして繊細な世界なのでしょう…
この後に主人公たちが登場しドラマが始まるわけですが、冒頭のこの部分だけでも、賢治のイメージの豊かさにうっとりしてしまいます。
たくさんの皆さまと賢治の作品世界をご一緒できますように☆彡
お問い合わせ:豊田中日文化センター【TEL 0120-98-2841】
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