主たる登場人物は、口入屋のあるじ源兵衛と、その店の
軒先に佇む訳ありげなひとりの娘です。
唇をきっちりと結んだ娘は、起承転結の転(序破急の破)
のシーンになってようやく口を開き、源兵衛とひと言二言
ことばを交わします。娘の台詞をどう音声化するか…
気をつけるべきことは、起承転結の起承の部分、
序破急の序の部分で聴き手に創り上げてもらえたであろう
娘のイメージを損なわないこと、です。
この素晴らしい作品においては、台詞の音声化でことさら
演じなくていい。肩の力を抜いて、源兵衛の台詞も淡く
表現する方が、作品は輝く気がします。
朗読を介在させて「車坂」を味わううちに…
この作品の主役は、人ではなく車坂そのもののようにも
思えてきました。一緒に作品世界を辿って下さった
素晴らしい朗読マダムに、とても感謝しています(^^)
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