2022年8月18日木曜日

自分の読みたいように読まない

自分の読みたいように小説を読むのではなく、〈語り手〉の促すように読んで、〈作品世界〉を体験したとき、〈語り手〉という他者の立場で世界を認識するという【新しい体験✨】ができています(^^)

新しい体験が、脳を進化させてくれます。視野が広がるとも、人として成熟するともいえますね。
脳は100歳になっても進化し続ける稀有な臓器。どんどん新しい体験をして、バージョンアップを図りましょう!

小説を自分の音声表現のための台本にするのではなく、朗読を活用して〈語り手〉を深く理解し、新しい体験を愉しむことが大切ですね(^^♪

2022年8月4日木曜日

言葉を大切にしたくて✨

言葉を大切にしたいと考えています。それは、その言葉を発した人=言語の主体を大切にすること。

言葉によって、読者の脳内に作品世界を創り上げ文学体験を誘うのが小説です。文字言語で読者に語るのが、小説の〈語り手〉です。音声言語では語りません。ですから小説を、音声言語で届けようとするのは、文字言語の主体である〈語り手〉を蔑ろにする行為だと自覚せねばなりません。音声では届けられないのが小説なのです。

朗読するとは、〈語り手〉を追体験する行為です。

何のために朗読するのか?

それは、頭のみならず身体を使うことで〈語り手〉理解をさらに深めるため。それと同時に、自分の頭の中にある、自分が鮮やかに体験している虚構の〈作品世界〉を、朗読を聴く読者に開示するためです。

朗読を聴いて生まれるさまざまな共感や違和感は、作品理解を深める話し合いを私たちに促してくれます。朗読のある読書の場は、とてもとても豊かです(^^)

小説は上演台本ではありません。言語の主体である〈語り手〉に敬意を持つことから、朗読はスタートします✨

芥川龍之介『トロッコ』

朗読教室で、芥川龍之介の『トロッコ』を取り上げています。読めば読むほど…読み深めるほど、芥川の凄さを感じる素晴らしい作品です✨

朗読することで、すなわち8歳の良平を間近で見守りながら語る〈語り手〉を追体験することで、この〈語り手〉が読者に届けようとしている財産を受け取ることができます。

人生山あり谷ありだけれど、それらを乗り越えてきて、現在ここに自分がいる。心細い思いが心に過るのは誰だって同じ。与えられた人生のゴールに向かって前に進んでいこう…。芥川が寄り添ってくれるのを感じます(^^)

芥川龍之介の『トロッコ』。さまざまな気づきを与えてくださった朗読教室の皆さまに、心から感謝します。皆さま、ありがとうございます!